20年めの進化

4月より新築21年目に突入しました。毎年発行している年報の挨拶文章を載せておきます。

本年度もどうぞよろしくお願いします。

20年めの進化~わかることが増えるとわからないことが増えていく

早いもので今春から藤田歯科医院は新築21年目を迎えます。新しいつもりの診療室もそれなりに補修したり、昨年は当初からの歯科用ユニットを総入れ替えしたりしました。新しい機材もたくさん導入して、進化したこともいっぱいありますが、ついつい性格からか毎年この時期に振り返って考えることは、もっとこうしておけばよかったとか、もう一回やり直せたらこうしたのに、とかいうことばかりです。これからの歯科医師人生では後悔することのないように、頑張っていこうと思います。

 個人的にも臨床経験25年目を迎え、わからないことがわかるようになり、できなかったことができるようになってきたように感じています。と書くと、一般の方にはなんじゃそれ当たり前じゃない?と思われそうですが、大抵の歯科医師は卒後数年でほとんどの事はできるようになりますし、「できないこと」はする必要のないことであり、大学病院とか専門医に紹介すべきことだったりしますので、知識や技術というのは歯科医師の年齢にかかわらずあまり変わらないというのも一理あります。でも同じことを同じようにしていても治らないことがあります。患者さんにとっては納得行かないかもしれませんが、人体はそれぞれ多種多様であり、最高の治療をしたとしても治らないこともあるのです。
例えばどんな歯科医師でも8割方治る、とします。残りの2割を治すために何十年もかかったりしてしまいます。一生かかっても10割バッターにはなれないと思います。その残りの2割のことが「少しできるようにわかるようになってきた」と実感しています。
ところが、「わかる」ことが増えると、「わからないこと」も増えてきます。今までわからないということが、わかってなかった。歯科の道はかくも険しい。古代ギリシャの哲学者ソクラテスの言うところの「無知の知」を改めて実感します。まだまだ頭を低くして謙虚に学ばなければならないことばかりではあります、、、、。

歯科界には本当に素晴らしい歯科医師の先生がたくさんいます。マスコミ的にはいろいろ言われたりもしますが、歯科界はこれからも明るいと思いますし、発展していくと思います。講演会に行けば、この先生の頭の中、一体どうなっているのだろう?と感心し、どういう気構え、どういう気持で毎日を過ごし、いかにして自分の理想の形を診療室で実現させてきたのかと、想像するに、やっぱり自分の今の姿はまだまだ頑張らなければいけないなと感じずにはいられません。

せっかく世間的にはベテランの域に達してきてはみたものの、ME機器、デジタル機器の発達や、歯科医療の標準化、情報化などなどにより、経験年数に関わらず若い先生でも素晴らしい治療をされています。人生100年というキーワードが去年は流行りましたが、私もまだまだ生涯研修のつもりでやっていかねばならないと思います。

最後になりますが、時代も平成から令和へ変遷し、変わるものと変わらないものを自分の中に内包しつつ、これからも歯科医師として生きていけたらいいなと思っていますので、今後共よろしくお願いします。